二日目は8月25日に阿倍野区役所で行われた。
■生活困窮者自立支援事業について
【大阪市】 24区のうち旭区以外は23の社協がかかわっている。区役所も業務にかかわるが、相談窓口は委託業者です。
【大生連】 生活保護の申請に行った人を生活困窮者自立支援窓口にまわすのではないかと危惧している。本人の意思を尊重するか。
【大阪市】 それはない。そうしないように事業者にお願いしている。衆参の付帯決議が出ている。「1、自立相談支援事業の相談窓口においては、相談者の困窮の状況に応じて生活保護制度の下で生活再建を図ることも含め、最善の対応を行うよう指導を徹底すること。……最低限度の生活が維持できないと判断された場合には、生活保護への移行を促すことも含めた適切な対応を講ずるよう指導すること。」としている。本人の意思を尊重します。
生活保護の申請に来たという方には生活保護の窓口に案内するよう指導している。
【住之江】 親の介護のため失業した稼働年齢の方が申請したが、自立支援の方から求人募集などの厚い本を持ってきて、「あなたは若いから働く意思があれば、この中から選んでください」と説明された。大阪市はそれを認めているのか。
【大阪市】 それは総合就職支援サポート事業のことではないかと思う。本来、就労支援員に引き継ぐ前に介護や医療など環境整備の説明が不足していると言っているのか。
【住之江】 介護、医療で不安なのに重圧をあたえないで。
【大阪市】 窓口がどちらであれ、生活保護が必要なのか否かみきわめて対応する。
【大阪市】 生活保護の窓口はどこかと聞けない人もいる。生活保護が必要な方には生活保護で対応する。
【大生連】 窓口は制度を熟知しているか。
【大阪市】 日々習得しているが、長い目で見てほしい。
【大生連】 中間的就労とは何か。作業所のように負担があるのか。
【大阪市】 事業の対象者は、ニート、ひきこもり、心身に課題があったり、精神疾患を抱える方など、ただちに一般就労に従事することが難しい方です。
利用者は、雇用契約を締結せず、訓練として就労を体験する形態(非雇用型)と雇用契約を締結した上で支援付きの就労を行う形態(雇用型)のいずれかで就労を行います。大阪市で8事業者を認定。事業者の社会貢献事業的なもので持ち出し。窓口は1区役所に2〜3名、ぎりぎりの配置でやっている。
【城 東】 テンプスタッフが稼働年齢生保受給者本人の意向や経歴を無視してあれこれと指示する。本人はハローワークで探すと言っている。本人の自立のためではなく民間企業の成績を上げるための強硬な就労支援になっていないか。
【大阪市】 市の場合、総合就職支援サポートと就労支援と一体的にやっている。
【大生連】 福祉の現場に、民間事業者を入れる事には反対だ。成功報酬なので、どうしても経済的追求になる。福祉の精神が欠落する。民間でなく、公務員が対応してほしい。大阪市は生活保護、生活困窮者自立支援の予算は国が100%負担するように要望し、ケースワーカーや相談員は福祉の資格を持った人を配置してほしい。
■私の生活実態とアンケートについて
【大生連】 私の生活実態、アンケートは部局、市長に渡したものであり、回答すべきだ。いつから、回答しない対応になったのか。橋下市長になって対応が変わった。あまりにも、冷たい。大阪市はアンケート提出を要望ではないと言われるが、生保基準引き上げや移送費の支給などについていろんな思いを書いている。
【大阪市】 この場はアンケートを読んで感想を述べる場ではないと認識。要望の下地にアンケートがあるだろうとは思うが、アンケートの感想は控える。1回目にいただいて2回目に感想をのべるのは間がなくて、述べる状況にもない。
【大生連】 大阪府は2日目に回答される。大阪市も以前は回答されていた。
【大生連】 この交渉に入る前から、当局に聞いてもらうために準備をしている。市への要望や不満だけでなく、助かったこともたくさん書いている。福祉行政に携わっている人の対応にしては冷たく、不誠実だ。
【大生連】 3回の引き下げ、今年は住宅扶助の引き下げもあった。もっと生活保護世帯の実態を知ってほしい。
【大阪市】 協議の指針に沿って対応しているのに、不誠実と批判されるのは、こちらも残念。一職員がこの場で感想を述べるのはそぐわない。
■医療証
【大生連】 保険証と同形式で医療証を発行してほしい。
【大阪市】 問題があることは認識しているが、大阪市単独では実施できない。
■移送費
【大生連】 毎月必要なことはわかっているはずなのに、請求しないと移送費を支給してくれない。福祉の方から「移送費について必要ですか」と聞いてほしい。親切に対応してほしい。
■エアコン設置
【大生連】 一定の要件を満たす場合は暖房器具購入にかかる費用が扶助されるとの回答だが、冷房は含まれないのか。
【大阪市】 暖房に冷房がついている機種であればよい。11月以降、保護費を初めてうけ、暖房器具がない人に購入費が出る可能性がある。
■「通院医療機関等確認制度」は中止すること
【大生連】 西成区だけが実施しているのか。重複診療は何%いるのか。
【大阪市】 西成だけ。削減の状況はつかんでいない。
【大生連】 なぜ、西成だけなのか。
【大阪市】 西成は生保受給がとびぬけて多い。重複診療で、薬も重複になり、医療費が無駄になる。体のためにもよくない。
【大生連】 重複の人には27条で指導したらすむこと。ごく少ないケースを全体に広げるのは劣等処遇そのものだ。
【大阪市】 適正な医療費のため、西成区が独自にやっていること。当区からは1件もクレームは上がっていない。
■一時金の復活を
【大生連】 生活保護基準の3回の引き下げで、生活がいっそう苦しくなっている。見舞金や水道減免の復活は市でできることだ。 復活してほしい。
■生活保護の実態と「私の要求書」より抜粋した保護利用者のこえ
●食費、光熱費、衣類の購入、冠婚葬祭費、文化・教養費で節約している中身や工夫していること。
- ・1円でも安いものを買い、一度にたくさん作り置きして3〜4日で食べる。
- ・スーパーの閉店2時間前に行き、半額品を買っている。
- ・室内にいるときは、なるべく電気を消して横になっている。
- ・スーパーの割引日や、セールの時間帯に買い物に行く。
- ・寝るときに頭・足にアイスノンをつけている。
- ・服は人からお下がりをもらっています。
- ・冠婚葬祭は全くしていません、できません。
- ・今まで3回の食事を2回にした。
- ・服も下着も5・6年買っていません。夏は毎日お風呂へ入りたい
- ・人と付き合わないようにしている。
- ・冬でもお風呂はなるべく溜めず、シャワーのみにしている。
- ・料理ができないため、おかずは一品のみ買う。
●国が住宅扶助(家賃)基準を引き下げました。これに対して、ケースワーカーからの転居指導など不安がありますか。
- ・転居指導は何も聞いていませんが、住み慣れたところを変るとなれば不安でいっぱいです。
- ・ケースワーカーから引き下げは聞いていましたが、通院を考えると引越しはできません。
- ・何も説明はない。
- ・最近引っ越したばかりですが、もっと安い所を探すよう言われましたがそんな所ありません。
●扶養義務が強められていることについて、困っていることなどありませんか。
- ・兄弟も年ですからとても無理です。
- ・扶養義務の通知が身内に行くと思うと不安で困る。
- ・姉妹も皆一人暮らしで扶養は望めない。
- ・離婚した実母がどこにいるのかも分からないのに、こんな歳で私の存在を知らされるのが凄く嫌です。
- ・ますます妹弟と疎遠になる。
●ケースワーカーや福祉事務所、民生委員についてひとこと。
- ・自分の地区の民生委員に相談に行ったが門前払いされて、話にならない。
- ・民生委員の方はあわれそうにみられます。
- ・必要なことを簡潔に指示してくれるのでありがたいです。
- ・民生委員の人が、あの人は生活保護やでといっているのを聞くと、私も言われてるんやと思います。
- ・暗号で喋っているようだ。・担当によって違う。・話も何も年に1回来たらいいところで話のしようがない。
●これまでご自身が大事にしてきたことで、できなくなったことはありませんか。具体的にお答え下さい。
- ・主人のお墓まいりに年三回行っていたけど行けなくなり、お盆のときだけは行ってあげたいので、少しずつ貯めています。
- ・年に一度のコンサート・焼肉・新年会のための毎月500円の積み立てが難しくなってきました。
- ・お金がないと何も出来ません。
- ・読書が好きなのに、本屋さんに行ってもほしい本が買えなくなった。
- ・今までお盆にお寺さんに来てもらっていたが、お布施が出せないので断っている。
- ・孫へのお年玉ができなくなった。
- ・古都・古民家巡りが好きだったが、だんだんと減って来てほとんど家と図書館の往復、お
金をできるだけ使わない様減らさないで月末まで過ごせる事を第一に生活している。
●生活保護を判用して助かったこと。よかったこと。
- ・脳梗塞で倒れ、歩くことも物も言い難く、右半身麻酔で死を考えたが、助けて頂いた。
- ・ホームレスにならなくてよかった,歯の治療に専念できてよかった。
- ・気が楽になった。働いていますが、収入が少ないので助かっています。先の不安が無くな
った。
●生活保護を利用していることで悩みやつらいこと。
- ・友達とか近所の人と会うと生活保護受けていいわねと、いやみに聞こえます。でも、私はあんまり気にしないことです。
- ・今だに廻りの目が気になり神経を使う。
- ・保護費が減らされてばかりで普通の生活ができない。交際もすべて何とか理由をつけて行かない、行かれない。
- ・やっぱり生活保護を受けている劣等感、人と深い交際ができない。いつも上辺で当たりさわりのない付き合いなので友達ができない。
- ・一日会話をしないときも多々ある。孤独感が襲ってくる。老齢化とWショックの毎日を過ごしている。
- ・近所の病院へ行くので、知り合いに会う。支払いをしないで帰るので保護がばれるのではと気が気でない。
- ・ギリギリの生活で余裕がない。・どんどん保護費が下がっていくことに不安をおぼえます。
●就労指導について
- ・仕事先で、生活保護者に対する差別がひどい。からかわれたり、中傷されていた。
- ・治療も終わってないのに、治療が終わったらすぐ働いてとせかす。訪問に来るたびに言われるので、気持ちに余裕が持てません。
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